コスト削減の名の下に
 最近コンビニの代金の支払いに電子マネーを利用する人が急激に増えたように思います。数を上げてしまうときりがないので、種類の方はいいませんが、私も2種類の電子マネーのカードを持っています。一種類はそのコンビニチェーンで導入直後に、一緒に付いてきたお茶の割引券につられて、そしてもう一種類は交通機関で使えるもので、どうしても必要だったから。なので、前者の方の残高は0円です。(ただしもう一つの方は交通費として週1の割合でチャージをしていますが)
 電子マネーがコンビニに導入された理由の一つとして人件費の抑制が上げられます。電子マネーを使わない場合と比べますと、現金を数える→入力をする→おつりを渡すという動作が省略されますので、その分一人のお客さんに対するレジの対応の平均時間というのが短縮されます。混雑時であれば減った時間の分だけ別なお客さんに対しての接客が出来ますので、結果的に人件費はそのままでいり上げアップにつながるという訳です。
 最近の不況の影響でコスト削減がよく言われるようになってきました。代表的なところで言いますと、業務用の洗剤を使わないという店が結構多いと思います。業務用というのは強力なものがそろっている割には全体的に高いものが多いです。ただ業務用故にやはりその値段というのは相当かかります。ので、商品棚にある普通の商品をそのまま使うなんてケースが数多く存在します。中にはその商品すら高いと言うことでわざわざホームセンターに行ってお徳用サイズのものを買ってくるという店長(オーナー)も結構います。中には床材用の洗剤を、他の場所の洗剤として使うなんてとんでもないケースも。こうなるとコスト削減をしたいのか現場を混乱させたいだけなのかわからなくなってきます。
 コスト削減というのは結構重要なものですが、当然のように諸刃の剣になってきます。「コスト削減に努めすぎた結果が、店の信用を失った」というケースも当然存在します。代表的なコスト削減を思い浮かべるとしたら人件費でしょう。直営店であれば基本的にバイトでも定期昇給というのがあるわけですが、オーナー店の場合で言えばそういうわけにも行きません。時給が上がるとなるとそれだけにリスクを背負うことになるわけです。それゆえですが、こういう点でも労使間トラブルというのは結構発生しています。特に募集要項に昇級ありとか書いているケースでのこの手のトラブルというのは多いと聞きます。最もこういう店の場合は入ってみて始めたわかるために、なかなか評判として伝わりにくいのが実情ですが。(伝わってもアングラレベルの話になってしまいますし)
 コスト削減というのは不況とか環境保護とかの話になれば確実に言われ出します。最近にいわれだしているのはコンビニの深夜営業をなくすという動きです。深夜営業をなくせばそれだけ環境に関わるコストを削減できるのでいいという話になりますので、一部の人たちは大乗り気なのですが、大都会にとってはそれは大きな諸刃の剣になります。深夜営業の店がなくなれば、今度は安全が脅かされるという状況になってきます。そのためのステーションとしてのコンビニには役目があるのですが、それがなくなってしまうと周辺治安の環境悪化につながる可能性はあります。そのためにはやはり明るい店というのが必要になってきます。そのためのコンビニというのは大きいと思うのですが。(それにそういう状況を作ると言うことは他の会社に対して深夜がらみの残業や仕事を減らせといっているようなものなので、一部の経済に悪影響が出る可能性も)
 昨今いろんなところでコスト削減とか言われ出していますが、それを断行してもあまり効果が上がらないというのをよく聞きます。先の電子マネーもパイオニアといわれたある会社は拡大策と電子マネー以外に使い道がないのせいで大赤字の状態が続いていると言いますし、他の会社がいろいろ追随する割には効果的なものが見いだせなくなってきています。またコスト削減をするあまりに接客のレベルが落ちてしまい堂々巡りなんて話もよく耳にします。この世の中ですからコストは出来るだけかけたくないのは誰だって同じだと思います。しかしその方向性が違うと信用性がなくなってしまうのもどこも一緒です。売上げアップが望めないから金銭を浮かせようとして失うものが多いとなると、それは単なる笑い話でしかないような気がします。 

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