レイシズム
(1章最終章付近推奨)
 タクティクスオウガの世界では大抵民族などを中心としたレイシズムが話の中心になってきています。レイシズムというのは人種差別と民族差別を合わせた意味でです。アメリカで起きていた黒人差別もこれに当たりますし、ネット上での流れの一つになっている嫌韓もこの一つに当たります。中国における反日デモも広義的な意味で見ればこれに当たります。(最もこの場合は政治的・教育的な意味のほうが強いのですが)実のところ定義は曖昧という面がありますが、ここでは上記の意味で使っていきたいと思います。今の世界ではそういう事をなくそうとしていろんな条約を定めて抑えようとはしていますが、実際のところはいろんな意味でこういうレイシズムが生まれてきています。原因もたくさんありますし、それによる問題も生じてきているのも事実です。(自分の日記の方でもそれを伺わせる内容が多いですし)
 レイシズムの行き着く最悪の結果が大量虐殺です。このゲームにおいては1章の後半にバルサムッサの虐殺(ウォルスタの式をあげるために、ロンウェーがバルマムッサの人たちを虐殺し、それをガルガスタンの仕業に見せかける→Cルートだとデニムが首謀者にさせられてしまう)がこれに当たるわけですが、世界にはこれよりも桁も質も違うようなことがたくさん起こっています。
 ジェノサイド(ある民族及び集団による、他の民族に対する大量虐殺)として認められているのは以下のとおりです。

 ルワンダ紛争内で起きた虐殺
 ナチスによる大量虐殺
 ホロドモール(1930年代前半に起きたウクライナでの大量虐殺。ソ連のメンツ立てが原因)
 ユーゴ紛争

 おおまかに認められているのはこの4つしかありません(20世紀だけでも他にもあります)が、権力者の名のもとに大量虐殺が行われている例もたくさんあります。以下はその指導者たちです。(カッコ内は国・推定で殺したとされる数)

 レーニン (旧ソ連・推定100万人以上)
 スターリン (旧ソ連・推定1000万人以上)
 毛沢東 (中国・大躍進政策の失敗で2000万人以上・文化大革命で数百万人からその10倍まで)
 ポル・ポト (カンボジア・80万人から200万人以上300万人以下)

 いずれの権力者にも共通するのですが、権力に追いすがるあまり邪魔者を排除するために政敵や知識人、さらには自分の意に沿わない農民をも殺してしまうということを平気でしてしまうということです。
 タクティクスオウガの世界では途中から前者から後者。つまりは民族紛争から民族紛争の名を借りた半革命的な状態に移り変わっていきます。そのなかでも民族の影はちらついています(反バグラム主義とバグラム至上主義)。民族紛争は悲劇しか生み出しませんが、人間の性には同じ性質の人間以外は受け入れない悲しい物があります。よくいじめとかの問題でも「なんでいじめが起こるのか」といえば確実にこういう答えが帰ってくるでしょう。ただそういう事をしていると将来は確実に自分に跳ね返ってくることがあるわけで、いまのイスラエルとイスラムの関係なんかはまさにそれに当たると思います。
 もし聖書に出てくるバベルの塔の建設途中に出てきて、傲慢になりつつあった人々にそれぞれ別な言葉を授けた神様がいるとしたら、差別というの者を創りだした神様が一番傲慢なんではないかと思ってしまうのですが。

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